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Part06 遺言作成について

遺言を作成したいケース

1、特定の財産を特定の子供に残したい場合

同居して世話をしてくれている子供に多くの財産をのこしたい場合や、同居している長男に家と土地を残したい場合、別居している子供は不公平感を抱き、相続争いになることもあります。遺言があれば、遺言内容に則って財産が引き継がれるのでトラブル回避に有効です。


2、孫や長男の妻、内縁の妻などの相続人以外の人にも財産をのこしたい場合

よく世話をしてくれる長男の妻や、かわいがっている孫、入籍していないが長年一緒に連れ添ってきた内縁の妻など相続権がない人に財産を残す方法としても遺言が有効です。遺言があれば、自分の財産を相続人以外の特定の人に残すことが可能となります。


3、子どもがいない夫婦の場合

親はすでに他界しており、妻に自宅と預貯金のすべてを残したい場合、遺言があると安心です。亡くなった夫に兄弟姉妹がいる場合、妻と夫の兄弟姉妹が相続人となります。しかし、兄弟姉妹には遺留分がありませんので、遺言があれば妻が夫の全財産を相続できます。


4、財産を公共団体などに寄付したい場合

身寄りがなく、財産を残したい人もいないため公共団体などへ寄付したいという場合は、遺言がないと、原則として財産は国に帰属します。


5、再婚しており、先妻(先夫)との間に子どもがいる場合

離婚した先妻(先夫)との間の子どもには、再婚後の妻(夫)との間の子供と同様に相続権があります。先妻(先夫)との間の子供とは疎遠になっているなどの理由で、再婚後の妻(夫)と子供へ確実に財産を残したい場合には遺言を作成することをおすすめします。


6、相続人同士の仲が悪く、相続が起きたらもめることが予想される場合

相続人全員の合意がなければ、遺産分割協議がまとまらず相続手続きができません。遺言があれば、遺言内容に則って財産が引き継がれますのでトラブル回避に有効です。

遺言の種類

自分の財産を誰か特定の人にのこしたいときは、「遺言」を作成することにより可能となります。一般的に、よく活用されている遺言には、「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2つの方法があります。確実に自分の財産を特定の人にのこしたいのであれば、公正証書遺言をおすすめします。
       自筆証書遺言        公正証書遺言
作成方法 自ら遺言の内容を書き記し、日付と名前を署名し、押印します。
パソコンなどで作成したものは無効です。
公証役場で、遺言者本人が遺言内容を口述し、公証人が公正証書を作成します。
原本は公証役場で保管されます。
メリット ・一人で作成できる。
・コストがかからない。
・内容を秘密にできる。
・法律上、無効になることはない。
・紛失、捏造の恐れはない。
デメリット ・相続の時、遺言が見つからない恐れがある。
・形式上の不備があったときには、無効になる。
・遺言内容が捏造される可能性がある。
・口述の際、証人二人以上の立会が必要。
・遺言内容が証人に知られてしまう。
・コストがかかる。

遺言を作ろうと思ったらはじめる<4つのポイント>

遺言をつくろうと思ったものの何から手をつけてよいかわからないという方も多いのではないでしょうか。そのような方は以下の4つのポイントから考え、整理してみるとスムーズに遺言の準備に取り掛かれるかもしれません。
A、相続人と相続分を確認しましょう

自分が亡くなった時、「誰が(法定相続人)」、「どれだけ(法定相続分)」、自分の財産を相続する権利があるのか確認しておきましょう。


B、相続財産の一覧を作ってみましょう

どんな財産がどれぐらいあるのか洗い出し一覧表にまとめてみましょう。


C、法定相続人以外の方にも財産をのこしたいか考えてみましょう

たとえば長男の妻や孫にも財産を残したい、社会貢献として寄付したいなど法定相続人以外に財産をのこしたいという希望があるか考えてみましょう。


D、誰にどの財産を残したいか考えましょう

どうしてものこしたい財産と処分してよい財産の仕分けを考えておきましょう。残したい財産については「同居中の長男に自宅は渡したい」などはっきりしている希望を中心に検討をはじめるとスムーズです。
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